わらびんのもっちもちホビー

トゥーンリンク使いのブログ。

e-sports業界の発展を遅らせている要因

e-sports業界は、未だにスポーツ業界と歴然とした格差が存在する。

ゲームの誕生がそもそも1949年。『バウンシングボール』というゲームを始めに歴史が始まった。e-sportsという概念が芽生え始めたのはさらに最近(1980年代辺り)になってからの出来事なので、古くは2100年前ほどからという永い歴史を持つスポーツとの差があるのは当然のことと言えばそうだ。

しかしe-sportsの発展を願う1プレイヤーとして、何故e-sportsの発展が遅れているのかを歴史以外の見方で考えてみた。

①観戦者からの視点

まず、スポーツといえば、サッカーや野球やテニスや・・・と挙げればキリがないほどの種類が存在する。そのどれもが観ている人にとって、何が凄いのかがすぐ分かるものが多い。

しかしe-sportsの凄味というのは実際そのゲームをプレイしている人間にしか分からないことが多い。そのため凄さと楽しさが伝わりにくく、おのずと観戦する人口の母数が低くなりそこから競技者なりうる人の数も少なくなっているように思われる。

こうした、初心者が観てすぐに凄さが分かるかどうかというのは大きな要素ではないだろうか。観戦した者がそのプレイングに惹かれてその競技へとのめり込んでいくというのはよくある入口だと思われるが、その入口がスポーツに比べ狭くなってしまっていることがe-sports業界の発展を遅らせているのではないだろうか。

②法律的な視点

これは有名な話だが日本の法律にある

刑法185条「賭博をしたものは、五十万円以下罰金又は科料に処する」

という法。これが業界の規模拡大に邪魔をしているのではないか。

勝敗のかかった対戦において、勝者が貰える賞金を敗者から貰ってしまうといけないようで、賞金を参加費から工面してしまうと勝者が貰う賞金の出所が敗者の参加費からとなると法律に引っかかるようだ。そのため、主催が賞金を全額出せば問題はないようだがそうなるとどうしても額に限度が出来てしまい、日本国内の大会賞金規模は少なくなってしまう。

こうした大会の賞金が低くなってしまう法律があるために日本国内のe-sports業界発展が遅れているのではないだろうか。

この問題は最も多くの人に言われていることで、私もこれが原因なんだろうな~という感想だ。しかし、カジノ法案の可決によってこれが取り払われる可能性もある上、日本国内の話であるため私はあまり問題視していない。

③スポンサーからの視点

スポーツとe-sportsではスポンサーの付きやすさに大きな差がある。観戦する人口が多いスポーツは、その宣伝効果にメリットを見出だした企業がスポンサーについてくれるケースが多い。一方でe-sportsでは広告塔としてのパワーがどうしてもスポーツに劣るため、大会運営費から賞金も賄ってまでスポンサーにつこうという企業が少ないのではないだろうか。

テレビでe-sports大会が放送されている光景を私は見たことがない。主に配信サービス上でしか観戦することが難しいe-sportsでは広告としての効果が著しく弱い。スポンサーにとってのメリットが薄れてしまってはやはり契約は難しいものとなる。

こうした、規模小さいがために規模の拡大が遅れるというジレンマにはまっているのが現状ではないだろうか。ゲームのユーザー層と狙いたい顧客の層が重なるような企業がスポンサーについてくれればと思う。

④新作が出てしまう問題

PCゲームの場合は同じゲームが長いこと続くことがあるが、私がプレイしている「大乱闘スマッシュブラザーズ」などの据え置き機のタイトルだと必ずといっていいほど、”新作”が出る。

これは何を意味するのかと言えばそれまでそのゲームに注いできた技術を向上させるトレーニング時間だとかが水泡に帰す可能性を持つということだ。

スポーツの場合はテニスをずっとやっていればただただテニスが上達していくだろう。ルールが大幅に変わるといったことも滅多に起こらないからだ。

しかし、e-sportsの場合、新作が出た際に今まで使えていた技術が「仕様」によって出来なくなったりすることがある。(スマブラXWiiUにおけるコンボや技等の変更といった具合)こうした自身の技術が使えなくなることは当人のモチベーションを大いに削ぎ、長期的なプレイを志そうとする人の心をへし折る。新作が出るかもしれないというだけで、そのゲームでプロを目指そうと思う人間を減らしているのではないだろうか。

私も全くプロゲーマーになろうとは思わないが、その大きな理由の一つはこれだ。今練習してもどうせ新作が出たら使えるかは分からないという考えがどこかにある。それはプロを目指すという何年かかるか分からない夢の途中で新作が出れば一気に夢が振りだし近くまで戻ることへの恐れを生じさせる。

新作が出ることはもはや仕方のないことだし、それを楽しみとするユーザーは大勢いるが、それが帰ってe-sportsにおける競技人口を減らしているのではないかと思えてならない。この問題はいつまで経ってもこの業界に付きまとう問題であると私は思う。

現に、プロになろうという目的でゲームを始める人は限りなく少ないのではないだろうか。

 

 

 

 e-sports業界発展を遅らせている要因はこれらではないだろうか。いずれも一個人がどうこう出来るレベルの問題ではないため、記事として書くだけに留まるのが情けない。

いつかこれら全ての壁を越えてe-sportsの規模がスポーツほどに大きいものとなるのをを願うばかりだ。